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送金サービスで受取額は変わる——同じ条件の見積もりで比較するHow much actually lands in Japan depends on the service — comparing US-to-Japan transfers on identical terms
最終更新: 2026年7月6日 | 最終確認: 2026年8月10日 | YO-MIDOKORO編集部 | 約8分

海外送金でこたえるのは、見える手数料より「見えないレート差」です。この記事は米国から日本へ送る場合の話。同じ$1,000を送っても、会社と支払い方法によって日本で受け取れる金額は変わります。個別の手数料額を並べるより先に、同じ条件で見積もりを取る手順と、各社の料金体系の型を整理しました。
日本の家族に仕送りをしたい。日本の口座へお金を戻したい。国をまたいでお金を動かす場面は、移住していれば必ず来ます。海外送金でこたえるのは、請求書に載る手数料ではなく、そこに書かれない「為替レートの上乗せ」のほうです。
この記事が扱うのは、米国から日本への送金です。日本から米国へ送る場合は、手数料の構造も使えるサービスも変わるので、そのつど比べ直してください。
損の正体は「隠れたレート差」
送金コストには二種類あります。1つは目に見える手数料。もう1つが、為替レートに上乗せされたマージンです。厄介なのは後者。「送金手数料は無料」と表示しながら、両替レートそのものにマージンを乗せている会社もあります。上乗せの幅は会社ごと・送金経路ごとに違い、業界一律の相場というものはありません。銀行の電信送金でも、手数料とレート上乗せをどう組み合わせるかは銀行によって別々です(後述のBank of Americaの例を参照)。
だから送金先を選ぶときは、手数料の額ではなく「どのレートで両替されるか」を見てください。基準になるのはミッドマーケットレート——買値と売値のちょうど真ん中、どこにも上乗せの乗っていないレートです。これに近いほど得をします。手元で当たりを付けるならGoogleで「USD JPY」と検索するのが早いのですが、あの数字がミッドマーケットレートそのものだとは、Google自身は言っていません。Googleの開示ページは、通貨の価格はMorningstar提供で3分の遅延があるとし、「表示される為替レートの正確性は保証できない。為替の変動に影響される取引の前には、現在のレートを確認してください」と書いています。目安として見て、実際の判断は送金画面の見積もりで。
同じ条件で見積もりを取らないと比べられない
各社の手数料もレートも、送金額・支払い方法(銀行口座/デビットカード/クレジットカード)・受取方法・キャンペーンの有無で変わります。だから「A社は安い」「B社は高い」と単純比較はできません。比べるなら、条件をそろえて自分で見積もりを取るのが確実です。
見積もりを取るときは、次の条件をそろえてください。
- 送金額を$1,000に統一する(少額だと手数料の比率が跳ね上がる会社があります)
- 支払い方法を1つに決めて、全社そろえる(「銀行口座から」だけでは足りません。Wiseは口座引き落としと銀行振込を別の方法として扱い、$1,000の送金で$7.26と$11.67に分かれます。デビット・クレジットカード払いはさらに上がります)
- 受取を「日本の銀行口座」に統一する(現金受取は別体系のことがあります)
- 初回限定キャンペーンのレートは除外する(新規客向けの特別レートは2回目以降に使えません)
- 手数料を差し引いた後の「受取額(recipient gets)」で比べる(表示手数料の大小だけで判断しない)。ただしこれは見積もり画面の数字で、経由銀行や受取銀行が別途引く分までは含まれません
料金体系の型を先に知っておく
各社の料金体系は、大きく分けると「手数料型」「為替上乗せ型」「両方の併用」のどれかです。公式で確認できる範囲を、型ごとに整理します。
| 会社 | 料金体系の型 | 為替レート | 手数料の建て付け(公式で確認できる範囲) | 向く用途 |
|---|---|---|---|---|
| Wise | 手数料型(レートには上乗せしない) | ミッドマーケットレートをそのまま使用 | 送金額と支払い方法で変わる。同社の比較表($1,000・米国→日本、2026-08-10確認)では、Wise残高$4.97、口座引き落とし$7.26、銀行振込$11.67、デビットカード$40.75、クレジットカード$57.60。「銀行口座から」の中でも口座引き落としと銀行振込は別料金 | 銀行口座あて・日常の仕送り |
| Remitly | 為替上乗せと手数料の併用型 | 通常は上乗せあり。新規客には期間限定の特別レートを提示 | 米国→日本の送金手数料は、現行の料金ページに$6.99と明記(初回は無料)。同社ブログに残る「$1,000超は手数料なし」は最終更新2024年6月の古い記述で、そのブログ自身が最新の手数料はアプリかサイトで確認するよう案内している。新規客の特別レートには送金額$2,000までという上限がある。変動幅が大きいのはレートの上乗せのほう | 急ぎ・現金受取が必要な時 |
| OFX | 為替上乗せ型 | 顧客ごとの個別レート(上乗せ幅は非公開) | OFX自身の送金手数料は$0(公式で確認)。収益はレートの上乗せから得る方式。最低送金額は$150(公式FAQで確認。「数千ドル以上」ではない)。ただし経由銀行が受取額から手数料を引くことがあり、OFXもその可能性を明記している | 少額から高額まで。手数料ゼロ表示の恩恵は送金額が大きいほど出やすい |
| 銀行の電信送金(例:Bank of America) | 銀行ごとに体系が違う(手数料型・為替上乗せ型・併用のいずれもありうる) | 銀行が独自に設定するレートで、上乗せがある | Bank of Americaの場合:外貨建ての国際送金は送金手数料なし(ただし為替レートに上乗せ)、米ドル建ての国際送金は$45(同社公式サイトで確認)。他行は体系が異なるので、使う銀行で個別に確認すること | オンラインサービスが使えない事情がある時、取引先が銀行送金しか受け付けない時 |
OFXは高額送金専用と思われがちですが、公式FAQでは最低送金額は$150と明記されています。少額の仕送りにも使える範囲です。ただし手数料ゼロという設計上、送金額が小さいとレート上乗せの比率が相対的に重くなりやすい点は変わりません。
Wiseの強みは、ミッドマーケットレートをそのまま使い、支払い方法ごとの手数料を送金前に画面で見せる透明さです。同社は日本向けページで「74%の送金が20秒以内、95%の送金が同日中に完了しています」と案内していますが、これは全世界・全通貨をまとめた数字で、日本あての実績とは限りません。
Remitlyは現金受取や急ぎの便に対応します。米国→日本の送金手数料は、現行の料金ページに「すべての送金で$6.99」と明記されています(初回は無料)。同社ブログには「$1,000超は手数料なし」という記述も残っていますが、そのブログは最終更新が2024年6月で、ブログ自身が最新の手数料はアプリかサイトで確認するようにと書いています。古いほうを当てにしないでください。読みにくいのはレートの上乗せのほうで、送金額・速度・受取方法で幅があります。新規登録時の特別レートには、初回であることに加えて送金額$2,000までという上限があります。家や学費でまとまった額を初回に送っても、$2,000を超えた分は通常のレートです。
銀行送金が「最後の手段」な理由
以前は当たり前だった銀行の電信送金(wire transfer)は、コストが重なりやすい方法です。送る側の手数料に加え、受け取り側の銀行でも手数料が引かれることがあり、さらに為替レートに上乗せが乗ることがあります。ただし、その組み合わせ方は銀行によって違います。上のBank of Americaの例のように、「外貨建てなら手数料なしでレートに上乗せ」「米ドル建てなら定額の手数料」という、1つの銀行の中でも送り方によって体系が分かれるケースもあります。自分の銀行がどちらの体系か、送金前に必ず確認してください。
銀行が向くのは、オンラインサービスが使えない事情がある時か、取引先が銀行送金しか受け付けない時です。
使い分けの目安
- 毎月の仕送り・日本の口座あて → Wise(ミッドマーケットレート・支払い方法ごとの手数料が事前にわかる)
- 急ぎ、または現金で受け取ってほしい → Remitly(見積もりは都度取り直す)
- 家や学費でまとまった額を一度に、または少額でも手数料ゼロ表示を試したい → OFX(最低$150から。上乗せ幅は非公開なので見積もりで確認)
- オンラインが使えない事情がある → 銀行(体系を自分の銀行で確認)
どのサービスも初回はアカウント作成と本人確認(パスポート等)が必要です。送金する前に必ず、そのサービスの「受取額(recipient gets)」の数字を、同じ条件(送金額$1,000・支払い方法を1つに固定・日本の銀行口座受取・通常レート)で見比べてください。手数料の安さではなく、日本の口座にいくら届くか——比べる軸はその一点です。ただし画面の受取額は見積もりで、経由銀行が引く分までは含みません。OFXが最低送金額を$150に置いているのも、少額だと受取側で引かれる手数料の重みが増すからだと同社は説明しています。
ひとつ注意を添えると、これはサービスの仕組みの説明であって、特定の送金を勧めるものではありません。手数料・レートは時期と金額で動くので、実行時に各社の見積もりを取り直すのが確実です。
次回は、働き方と仕事探しを扱います。レジュメの作法、チップ文化、就労資格の壁——日本と勝手が違うところを先に押さえます。
※この記事は一般的な情報提供です。 個別の医療・法律・税務・移民・保険・金融に関する助言ではありません。制度・料金・要件は変わることがあり、実際の手続きや判断の前に、医師・弁護士・CPA(会計士)・各公式窓口など専門家にご確認ください。