交通 →Traffic → 今週号:This issue: 2026年8月3日(月)

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抹茶が高い・品薄なのはなぜ?——2026年の抹茶事情と、本物の選び方Why matcha is expensive and hard to find — the 2026 shortage, and how to pick the real thing

抹茶と茶道具(イメージ)。同じ「抹茶」でも、点てて飲む用とラテ・製菓用は売り場での表記が違う(公的な等級区分ではない)
抹茶と茶道具(イメージ)。同じ「抹茶」でも、点てて飲む用とラテ・製菓用は売り場での表記が違う(公的な等級区分ではない)

いつものラテ感覚で抹茶を、と思ったら値段が上がっている。2024年秋ごろから抹茶の不足が報じられています。なぜ高いのか、そして値上がり局面での表示の見方と用途別の選び方を、ベガスでの買い方までまとめました。

ラスベガスの抹茶ラテやソフトクリームの店が、この一、二年でぐっと増えました。ところが、いざ抹茶の粉を買おうとすると「前より高い」「品切れ」に出くわす。気のせいではありません。2024年秋ごろから、抹茶の不足が報じられています。ただし、日本茶の会員制の非営利団体(Global Japanese Tea Association、政府の認証機関ではありません)は、少し違う整理をしています。同団体が「前例がない」と書いたのは、一保堂と丸久小山園という2つの有名ブランドが販売の停止・制限に追い込まれたことについて。「抹茶が全体として不足しているのか」という問いには "Not exactly" と答えています。抹茶の原料は春に摘む茶葉が中心で、日本の茶生産量の約6%。そこへ需要が急増し、碾茶を挽く設備が追いつかなかった、というのが同団体の見立てです。

なぜここまで高いのか。そして高騰に便乗した「ニセ抹茶」をどう避けるか。ベガスでの買い方まで、順に整理します。

なぜ品薄で、なぜ高いのか

まず押さえたいのが、不足しているのは緑茶全般ではなく碾茶(てんちゃ)だという点。抹茶の原料になる、日光を遮って育てる特別な茶葉です。ここに、いくつもの事情が重なりました。

  • 需要が急拡大した:SNSとカフェ人気で世界の需要が伸び、日本の緑茶輸出は数量・金額とも大きく増えたと報じられています。
  • 供給はすぐ増やせない:碾茶の茶樹は一人前になるまで4〜5年。うまく育てられる農家はごく一部で、日本では長期にわたって茶農家の減少が続いています。
  • 猛暑が追い打ち:2024〜25年の記録的な暑さで、宇治の碾茶は収量が落ちたと伝えられています。
  • 結果、価格が跳ねた:碾茶の取引価格は2025年に大幅に上昇したと報じられました。

※この節の数値(輸出の増加率、引退した農家の戸数、収量の減少率、価格の上昇率、競り値)は、報道ベースで年・地域・対象品目・集計方法がそろっていないため、この記事では具体的な数字を載せていません。

押さえておきたいのは、ここに並べた事情がどれも短期では動かないということです。茶樹が育つのに4〜5年、碾茶を挽く設備も需要の伸びにすぐには追いつきませんでした。値段がいつ落ち着くかについて、この記事では見通しを立てません。いま棚にあるものを、用途に合わせて選ぶ——買う側にできるのは、そこです。

値段が上がっているときほど、表示を見る

価格が上がる局面では、原料や用途の表示が分かりにくい商品にも注意が要ります。碾茶ではなく別の茶葉を挽いたもの、産地が書かれていないもの、着色したものが棚に混ざることがあります。買う前に見るのは、この4つです。

  • 原料:何を挽いたものか(碾茶か、それ以外か)
  • 産地:「宇治」「西尾」など、どこの茶葉か
  • 用途・等級の表記:ceremonial(点てて飲む用)か culinary(ラテ・製菓用)か
  • 販売元:どこの会社が売っているか

ただし、これらの表記が1つあるからといって本物・高品質と判断できるわけではありません。原材料・製造者・原産地・保管状態を総合的に見るのが確実です。なお「宇治」「西尾」といった産地名や ceremonial/culinary といった用途表記は、販売者や市場が使う言い方であり、日本に統一された公的な等級区分があるわけではありません。日本茶業中央会の緑茶の表示基準は、抹茶を「碾茶(覆下栽培した茶葉を碾茶炉等で揉まずに乾燥したもの)を茶臼等で微粉末状に製造したもの」と定義していますが、ceremonial・culinaryのような等級を公的に定めてはいません。色や香りも手がかりにはなりますが、それだけで真偽を判定できるものではありません

「セレモニアル」「カフェ用」は用途の目安として使い分ける

高い抹茶を全部の用途に使う必要はありません。ceremonial/culinaryは公的な等級ではありませんが、販売の現場でよく使われる用途の目安として使い分けるのが、高騰下の賢い買い方です。

  • セレモニアル(点てて飲む用):お湯や水だけで点てて味わうならこれ。いちばん高いので、飲む分だけ少量を良いものにするのが現実的。
  • クッキング/カフェ(ラテ・製菓用):ラテや焼き菓子は牛乳や砂糖と合わせるので、無理に最高級を使わなくていい。ラテ用の等級で十分おいしく仕上がります。

「毎日のラテはカフェ用、週末に一服点てる用にセレモニアルを少し」——この二本立てがコスパ良好です。

ベガスで買うなら

日系スーパーが基本の入口。中田マーケットや、チャイナタウンのJ Gourmet Market(旧フクヤ)で扱いがあります。在庫と取扱ブランドは変わりやすいので、目当てがあるなら行く前に確認を。

ネットなら、アジア系食材のWeee!で老舗ブランド 丸久小山園(Marukyu-Koyamaen) などが買えることがあります。Amazonでも丸久小山園やIppodoといった定評ある銘柄が手に入り、ブランド直販サイトもあります。迷ったら、産地・表示がはっきりした定番ブランドを選ぶのが失敗しないコツ。買える店の一覧は抹茶図鑑の「買う」にまとめました。

飲むなら

外で飲むなら選択肢は豊富です。とくにSpring Mountain通り(チャイナタウン)沿いに店が集まっています。点てた一服を出す専門バーから、ソフトクリームやフロートの店まで幅広い。実在する店を住所つきで抹茶図鑑にまとめてあるので、近所の一軒を見つけてください。


値段と在庫がいつ落ち着くかは分かりませんが、用途で使い分け、原料と産地の表示を確かめる——この2つを押さえれば、値上がりの波の中でもおいしい一杯にたどり着けます。日系スーパーの実際の特売は特売ページで毎週追っています。「この店の抹茶がよかった」という情報は、ぜひ投稿フォームから教えてください。


※この記事は一般的な情報提供です。 価格や在庫の状況は時期・店舗によって変わります。最新の実売は各店でご確認ください。
出典クリックで開く
農林水産省「茶畑から美味しいお茶が届くまで」 / 日本茶業中央会「緑茶の表示基準」 / Global Japanese Tea Association / Perfect Daily Grind / Marukyu-Koyamaen / Weee! ほか各公式・報道(2026年7月時点)。2026-08-02の監査検収で、写真キャプションとまとめの「等級」表記を本文の説明に合わせた=農林水産省の解説を筆者自身が読み、抹茶の定義が "てん茶を茶臼などで微粉末状に製造したものが、抹茶です。" という製法の話であること、同ページに "ceremonial"・"culinary"・"等級" のいずれも現れないことを確認。本文は元から「ceremonial/culinaryは販売者や市場が使う言い方で、日本に統一された公的な等級区分があるわけではない」と正しく書いていたのに、キャプションだけが無条件に「等級が違う」と断定していた。3巡目の監査(2026-08-02)で、GJTAへの帰属に指摘。筆者が同日に原典(gjtea.org「Unpacking the Matcha Shortage: An Insightful Look」2025-01-29)を読み直したところ、"unprecedented" と書かれているのは "This surge in demand led two well-known Japanese tea brands, Ippodo and Marukyu Koyamaen, both with popular stores in Kyoto, to experience a serious matcha shortage, forcing them to either stop or regulate sales – something unprecedented." という2ブランドの販売停止・制限の話。さらに同記事は "But is there really a total shortage of matcha? Not exactly." と全体的な不足を明確に否定し、"matcha accounts for only about 6% of Japan's total tea production"、挽く設備が需要に追いつかなかったこと、"the spring harvest is just around the corner" とも書いている。旧稿の「歴史上はじめての抹茶不足と呼んだ」は原典の対象範囲を超える帰属だったため、同団体が実際に書いている整理に置き換えた。2026-08-12、「一度上がった日本の碾茶価格は元には戻りにくいとされます」「不足は『一時的な高騰』ではなく『底値の引き上げ』に近い」「当面はこの状況が続く見込みです」の3つは、誰の見解かを特定できず公式の出典も確認できなかったため削除した(外部裏取り第1弾で再現できず)。段落が尻すぼみにならないよう、記事内で既に裏の取れている事情(碾茶の茶樹は4〜5年、挽く設備が需要に追いつかなかった)で言い換え、まとめの「品薄はしばらく続きそう」という見通しも同時に外した。2026-08-15の鮮度再照合(D)で、引用と店舗を一次資料で引き直した=GJTAの原典(gjtea.org「Unpacking the Matcha Shortage: An Insightful Look」2025-01-29)は現在も公開中で、"forcing them to either stop or regulate sales – something unprecedented."、"But is there really a total shortage of matcha? Not exactly."、"in fact, matcha accounts for only about 6% of Japan's total tea production." の3か所とも文言に変更なし。同団体がその後に不足の解消を扱った記事は見当たらない(matcha-shortageタグ・ニュース欄・月次レポート2026年7月号まで確認)。農林水産省の該当ページ(maff.go.jp/j/heya/sodan/1404/01.html)の "てん茶を茶臼などで微粉末状に製造したものが、抹茶です。" も、同ページに ceremonial・culinary・等級 のいずれも現れないことも再確認。日本茶業中央会の表示基準PDFの定義も変更なし。店舗はNakata Market of Japanが公式サイトで5店舗を掲出して営業中、J Gourmet Market(旧フクヤ・3910 Spring Mountain Rd, Ste 4)も営業中を確認。Weee!では丸久小山園の抹茶が現在も複数品目で販売中(青嵐・和光・雲鶴・金輪ほか)。数値・見通しは追加していない

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