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ビザの期限まで、ではない——滞在できる本当の期限はI-94にあるYour visa expiry is not your deadline — how long you can actually stay is on your I-94
最終更新: 2026年7月10日 | 最終確認: 2026年8月10日 | YO-MIDOKORO編集部 | 約14分

「ビザが切れるまでは大丈夫」——この思い込みが、あとで一番痛い誤解になります。あなたがアメリカにいられる期限は、ビザの有効期限ではなく、入国のたびに決まるI-94の記載です。日付が入る人と、留学・交流訪問のように「D/S」と書かれる人がいます。無料で確認でき、印刷もできる。その見方と、期限を過ぎると何が起きるかを、公式の言葉で整理します。
ビザの欄に「2030年まで」と書いてあるから、それまではアメリカにいられる——これは、よくある、そして高くつく誤解です。
パスポートに貼られたビザは、アメリカの入口まで来ていい期限にすぎません。実際にいつまで滞在できるかは、入国のたびに別に決まります。その日付が記録されるのが、I-94(入国・出国記録)です。滞在期限を守れているかどうかは、ビザではなく、こちらで判断されます。
そして今のI-94は、パスポートに挟まる紙ではありません。電子化されていて、オンラインで自分で確認します。見たことがない、という人は、一度開いてみてください。
ビザは「入口の鍵」、I-94は「滞在の期限」
この2つは、別の役割を持っています。
- ビザ:アメリカの空港・国境に来て入国審査を受ける資格。有効期限は「いつまでに入国審査に来ていいか」を示す
- I-94:入国審査を通ったあと、いつまで滞在してよいかの許可。入国のたびに決まる
だから、滞在を延長したいときに見るべきなのもI-94です。国務省やUSCISの案内は、延長は「ビザの期限」ではなく「I-94などに示された許可された滞在期限」が切れる前に申請するように、と説明しています。ビザにまだ数年残っていても、I-94の期限が来れば、そこが滞在の締め切りです。
観光、就労、留学。ビザで入る立場なら、ビザとI-94の関係は同じです。ただし、その期限を延長できるかどうかは在留資格ごとに違います。延長の可否は、自分の資格の条件を公式で確かめてください。
ESTAはここに含めないでください。ESTAはビザではありません。ビザ免除プログラム(VWP)で渡航するための電子渡航認証です。米国務省もVWPを、参加国の国民が観光や商用で90日以下の滞在を「ビザを取得せずに(without obtaining a visa)」できる制度と説明しています。そしてVWPで入った人は、滞在の延長も在留資格の変更も、原則としてできません。連邦規則がそう定めています。延長は 8 CFR 214.1(c)(3)(i)、変更は 8 CFR 248.2(a)(6) で、それぞれ対象外の区分に挙げられています(変更の例外は犯罪被害者のUビザへの変更だけです)。ESTAで来た家族に「足りなければ延ばせばいい」と言わないでください。
確認方法——公式サイトで「Get Most Recent I-94」
空路・海路でアメリカに入ると、入国審査でCBP(税関・国境警備局)の職員が電子I-94を発行します。別途の申請も支払いも不要です。ラスベガス(ハリー・リード国際空港)に飛行機で着く多くの人は、これに当てはまります。
自分のI-94は、公式サイトで見られます。
I-94公式サイト(i94.cbp.dhs.gov) を開き、パスポート情報などを入力して「Get Most Recent I-94」を選ぶと、最新のI-94(合法的に入国した記録の証明として印刷できる)と滞在できる期限が確認できます。同じサイト内の別メニューで、過去10年分の出入国履歴(View Travel History)や滞在期限までの残り日数(View Compliance)も見られます——ただしこの2つは、表示される対象者が限られます。
雇用主や学校、役所に在留資格を示すよう求められたとき、この画面から出したI-94の提出を求められることがあります。CBPのモバイルアプリでは、旅行者向けのI-94機能はCBP Linkが担っています(別アプリのCBP Homeもあります)。アプリの名称と機能は移り変わるので、迷ったら上のウェブサイトが確実です。
「Admit Until Date」と「D/S」の読み方
I-94を開いたら、見るのは滞在の期限を示す欄です。読み方は主に二通り。
日付が入っている場合(Admit Until Date)。CBPの説明では、これは滞在資格が切れる日で、この日までに出国する必要があります。観光や就労などはこの形が多い。
「D/S」と書かれている場合。これはDuration of Status(在留資格の有効期間)の略で、留学(F)や交流訪問(J)などで使われてきました。USCISの説明では、D/Sの人は在留身分の条件を守っている限り、プログラムや就学、業務の期間中は滞在できます。特定の日付ではなく、身分が続く限り、という形です。
2026年9月15日から、留学・交流訪問・報道関係者のD/Sは終わります
ここは大きく変わります。国土安全保障省(DHS)は2026年7月17日に最終規則を公示し、F(留学)・J(交流訪問)・I(外国報道関係者)のD/S入国を廃止しました。発効は2026年9月15日で、それまではD/Sでの入国が続きます。
Fの場合、9月15日以降はI-20に記載されたプログラム期間(最長4年)に、出国準備の30日を足した固定の期日でI-94が出ます。プログラム開始日の最大30日前から入国できるという定めも別にありますが、これは入口側の窓であって、滞在の終わりが30日延びるわけではありません。規則は、この前後の30日はいずれも最長滞在期間の計算に入れないと書いています。
現在の授権期間内に終わらない場合は、USCISへの滞在延長申請(Form I-539・手数料の納付)が必要になります。学校を移ったり教育レベルを変えたりしたときも、判断の基準は同じで、規則は「転入先の新しいプログラムが、認められた滞在期間内に終わらないなら」延長を申請せよ、と書いています。逆に言えば、期間内に収まる範囲の変更まで一律に申請が要る、という書き方はされていません。post-completion OPT/STEM OPTは、次に書く経過措置の条件に当てはまらなければ申請が要ります。バイオメトリクス(生体情報)については、規則本文が「8 CFR 103.16の規定により求められる場合がある」としており、全申請者に一律で課されるわけではありません。出国準備期間は60日から30日に短縮されます。ここから先、この記事には30日と60日の両方が出てきます。混ざりやすいので先に切り分けておきます——30日は「9月15日以降に固定期日で入国する人」、60日は「いまD/Sで滞在していて、次に書く経過措置に乗る人」です。自分がどちらかで、数える日数が変わります。
上限も入りました。英語だけを学ぶプログラム(ELT)は生涯で通算24か月。ただしこれは将来に向けて適用され、規則の発効前に終えたプログラムは数えません。公立高校は通算12か月で、こちらは学校の休みや長期休暇も期間に含みます。
現在D/Sで滞在しているF-1学生には、経過措置があります。 post-completion OPTまたはSTEM OPTのI-765を2027年3月18日以前に申請する場合、その申請するOPT期間については、別途I-539によるEOS(滞在延長)申請をしなくてよいとされています。
ただし日付だけの条件ではありません。規則本文は、これに加えて次を求めています。post-completion OPTは、許可された滞在期間が切れる前に出すこと——ここには60日の出国準備期間も含まれます(経過措置の対象者なので、短縮後の30日ではなく従来の60日で数えます)。STEM OPTは、いま持っているOPTのEAD(I-766)が切れる前に出すこと。そして、I-765を出す前に一度出国して、固定期日のI-94で再入国した場合、この免除は使えません。期限内に申請しても、これらを外すとI-539が要ります。それ以外の理由で滞在を延ばす場合も同じです。
すでにD/Sで滞在している人の上限日は、在留資格ごとに違います。 この経過措置が使えるのは、2026年9月15日の時点で在留身分を適切に維持していて、かつD/Sで入国していた人です。そして期限の基準は、I-20・DS-2019のプログラム終了日だけではありません。規則は、就労許可証(EAD・Form I-766)の有効期限と、プログラム終了日の、遅いほうの日付と定めています。OPTなどでEADを持っている人は、I-20だけを見て計算すると期限を読み違えます。そのうえで、次の上限が掛かります。
- F(留学):2030年11月14日(発効日から4年+出国準備60日。DHS公式ページに明記されている日付で、計算も 2026年9月15日+4年+60日 で一致します)
- J(交流訪問):2030年10月15日(発効日から4年+出国準備30日)。この日付は連邦官報の最終規則本文に明記されています。Fと違うのは出国準備の日数で、Fは60日、Jは30日です
- I(外国報道関係者):2027年5月13日(発効日から240日)。ただし中国発行の旅券を持つ人は2026年12月14日(90日)と、さらに短くなります。香港特別行政区・マカオ特別行政区が発行した旅券は、この短いほうの区分から除かれます(規則本文が名指しで除外しています)。いずれもF・Jよりはるかに短い期限です
ただし発効日以降に一度出国して戻ると、そこから固定期日のI-94に切り替わります(移行措置は使えなくなります)。
F・J・Iいずれも、細かい適用条件は資格ごとに違います。留学生・研究者・帯同家族・報道関係者は、学校のDSO(指定校職員)やプログラムのスポンサー、公式情報で自分のケースを確認してください。
自分のI-94がどちらなのかは、開けば分かります。思っていた日付と違うことがあるので、入国のたびに一度見ておくと安心です。
なぜ確認するのか——期限を過ぎると何が起きるか
期限を過ぎて滞在すること(オーバーステイ)は、思っている以上に重い結果につながります。
USCISは「不法滞在(unlawful presence)」を、「長官が認めた滞在期間」が切れたあとにアメリカにいる期間と定義しています。I-94に日付が入っているなら、その日を過ぎた時点からが原則です。D/Sの人は、在留身分が終わった時点が起点になります。ただしD/SのI-94には終了日が書かれていないため、「いつ身分が終わったと判断されるか」自体が争点になります。ここは個別事情で大きく変わるので、自分がD/Sなら公式窓口か資格のある移民弁護士に確認してください。積み上がった不法滞在の長さによって、こうなります。
- 180日を超え、1年未満の不法滞在ののち、退去手続きが始まる前に自ら出国 → 再入国に3年間の制限
- 1年以上の不法滞在で出国 → 再入国に10年間の制限
これはINA(移民国籍法)212条(a)(9)(B)に基づく入国拒否事由で、いったんかかると解くのは簡単ではありません。国務省も、許可された期間を超えて滞在すると、将来ビザが認められなくなる可能性があるとしています。うっかり数日、が数年の壁に化けることがある、ということです。
いくつか補足を。INA 212条(a)(9)(B)(iii)(I) は、18歳未満だった期間は、この不法滞在の期間計算に算入しないと定めています。
期限内に申請して、まだ審査中の場合にも定めがあります。同条(iv)は、適法に入国していて、許可された滞在期限が切れる前に、いい加減でない(nonfrivolous)延長・変更の申請を出していて、無許可で就労していない人については、審査が続いているあいだ期間の計算が止まる、としています。ただし止まるのは最大120日までです。「申請中だから何日でも大丈夫」ではありません。自分がこれに当てはまるかの判断は個別事情で変わるので、公式窓口か資格のある移民弁護士に確認してください。
また延長や在留資格の変更が認められれば、I-94も更新されて合法的な滞在が反映されます。CBPは、一部の旅行者に滞在期限が近いことや超過の可能性を知らせるメールを送ることがあります。届いたら無視しない——ただし、来ないことは「問題なし」の証明にはなりません。期限は自分でI-94を見て管理してください。
不法滞在が絡む判断は、個別の事情で大きく変わり、例外規定もあります。少しでも不安があれば、自己判断で放置せず、資格のある移民弁護士か公式窓口に相談するのが安全です。
I-94が出ない人・記載が違うとき
全員にI-94が出るわけではありません。USA.govは、次の人などは対象外だと挙げています。アメリカ市民、帰任する永住者、移民ビザでの入国者、そして観光・通過の多くのカナダ市民。グリーンカードを取った人は、通常のI-94という形では滞在期限が付きません。
陸路(カナダ・メキシコから車で入る)には別の注意があります。電子I-94で入って陸路で出ると、出国が正しく記録されないことがある。その場合に備えて、入国スタンプや交通機関の控えなど、出国を示すものを残しておくとよい、とCBPは案内しています。また陸路の入国でI-94を申請する場合は、2025年9月30日以降1件$30の手数料がかかります。内訳は従来の陸路分$6に、2025年7月成立の連邦法(H.R.1)で新設された$24が乗ったものです。空路・海路にはこの手数料はかかりません——CBPは連邦官報の告示で、空港・海港から入る人はI-94の申請自体が不要だから手数料を課さない、と説明しています。
記載内容が実際と違う、というときは、どこで直すかが分かれます。CBPの Deferred Inspection が直すのは「入国時に生じた誤りだけ」だと、CBP自身が書いています。同じページは、滞在の延長を申請したい場合などはUSCISに連絡するようにと案内しています。入国審査での記載ミスならCBP、USCISが出した書類の話ならUSCIS、という分かれ方です。放置すると滞在期限の解釈がずれるので、気づいたら早めに、正しいほうの窓口へ。
日本側への届出(在留届・たびレジ)は、これとはまったく別の話です。両方いる場面が多いので、在留届とたびレジの分かれ道で分けて扱いました。日本から来る家族の入国とI-94の流れは来客の空港到着ガイドにもあります。
やることは1つです。今のI-94を一度開いて、期限を確かめ、印刷して手元に置く。数分で済みます。
編集メモ:I-94の電子発行と確認方法、確認サイトで見られる項目、「Admit Until Date」と「D/S」の意味、不法滞在の3年・10年の制限(INA 212(a)(9)(B))、18歳未満の扱い、I-94対象外の人、陸路入国の手数料(2025年9月30日以降$30・内訳$6+$24)は、2026年7月10日および7月26日にCBP(i94.cbp.dhs.gov・CBP Link・I-94説明ページ・2025年8月28日連邦官報の手数料告示)、USCIS(Unlawful Presence and Inadmissibility)、USA.gov、国務省の各公式で確認しました。D/S廃止の最終規則(2026年7月17日公示・2026年9月15日発効)は、連邦官報(91 FR 44976)とDHS Study in the Statesの公式ページで2026年7月28日に確認しています。バイオメトリクスが「求められる場合がある」(8 CFR 103.16)という留保、post-completion OPT/STEM OPTの2027年3月18日申請期限、F学生の移行上限2030年11月14日は、いずれもDHSの公式資料に明記された記述です。JとIの上限日は官報の規則本文に明記があります。Jは2030年10月15日。Iは2027年5月13日で、中国発行旅券の人は2026年12月14日(香港・マカオ発行の旅券は除かれます)。旧稿は算出値としていました。誤りです。個別のケースはDSOへ。2026年8月10日の最終監査(R3)で、さらに7点を直しました。プログラム開始前の30日は入口側の窓であって滞在の終期に足すものではないこと、学校や教育レベルを変えたときの延長申請は「認められた滞在期間内に終わらない場合」であること、24か月の上限は英語訓練(ELT)が対象で将来に向けて適用されること、経過措置は身分を適切に維持していることが前提でEADとプログラム終了日の遅いほうが基準になること、Iの短い区分から香港・マカオ発行旅券が除かれること、I-94の訂正はCBPが直すのが入国時のエラーに限られること、期限内に申請して審査中の場合の期間計算の停止が最大120日であること。いずれも連邦官報の規則本文、CBPの案内、INA条文の原文で確認しています。発効後の運用ガイダンスは扱っていません。個別の在留資格ごとの猶予期間、延長・変更の具体的な申請手順、記載誤りの訂正窓口の運用、ビザが無効になる条件の詳細は、この記事では扱っていません。移民法は改定が多く、判断は個別事情で変わります。手続きの前に、必ず公式の最新情報を確認し、必要なら資格のある移民弁護士に相談してください。この記事は一般的な情報であり、法律上の助言ではありません。
※この記事は一般的な情報提供です。 移民法・法律に関する助言ではありません。制度・要件は変わることがあり、在留資格・ビザ・不法滞在に関する個別の判断は、必ず公式窓口または資格のある移民弁護士にご確認ください。