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SSNとITINは、別物です。あなたに要るのはどっちAn SSN and an ITIN are not the same thing — which one you need, and how to get it
最終更新: 2026年7月5日 | 最終確認: 2026年8月2日 | YO-MIDOKORO編集部 | 約10分

税務や雇用の手続きでは、番号を求められます。ただSSNとITINは役割がまったく違い、取れる人も違う。どちらが自分に必要か、取り方まで整理します。
アメリカでは、税務や雇用の手続きで番号を求められる場面が繰り返し来ます。銀行口座やクレジット、車のローンでも聞かれます。ただ、ここで多くの人が混乱します。SSNとITINは名前が似ているだけで、役割も、取れる人も、まったく違うからです。自分にどちらが必要かを、順に整理します。
SSNは、給与と社会保障の記録につながる番号
SSN(社会保障番号)は、仕事の給与、税金、社会保障——生活の根っこにつながる番号です。市民と永住者(グリーンカード保持者)はもちろん、非市民もDHSから就労を認められていれば取得できます。働けるなら、取るべきはSSN。
「働ける人だけの番号」と言い切れないところがひとつあります。就労許可がない合法滞在者でも、連邦法や州法で番号がないと受けられない給付・サービスがあるなど、正当な非就労目的(valid non-work reason)がある場合には、「NOT VALID FOR EMPLOYMENT」と印字されたカードが発行されることがあります(SSA - Social Security Cards)。数としては例外的ですが、「働けないからSSNは一切無理」ではありません。
ひとつ誤解を解いておくと、採用時のI-9(就労資格の確認書類)に、SSNカードそのものは必須ではありません。I-9はUSCISが定めるList A、またはList B+List Cの組み合わせで足り、SSNカードはList Cの選択肢の1つです。ただしList Cとして使えるのは就労制限の記載がないSSNカードだけです。「就労には使えない」「INSの許可がある場合のみ就労可」「DHSの許可がある場合のみ就労可」のいずれかが印字されているカードは使えません(印字の英文は出典欄)。ただしSSN欄の記入は、雇用主がE-Verifyに参加している場合は必須になります(USCIS - Form I-9 Acceptable Documents)。番号がなくても働き始められる場合はある、ということです。
取り方は、社会保障局(SSA)へのForm SS-5の申請が基本。現在はオンラインで申請を始めてから窓口へ行く導線があり、そのなかで来訪の予約を取ります。持参する書類は原本、または発行機関が認証したコピー(写しや公証コピーは不可)で、身元・年齢・在留資格の3点を示す書類が要ります(詳しくは後述)(SSA - Request a Social Security number for the first time)。
もうひとつ、USCISの申請書の中でSSNを一緒に頼める仕組みがあります。EBE(Enumeration Beyond Entry)——申請書にSSA用の設問と開示同意の欄があり、承認されるとカードが郵送されてくる、というものです。SSA公式の冊子は、I-765(就労許可)とI-485(永住権)の両方でこれが使えると案内しています(SSA - Foreign Workers and Social Security Numbers・2025年1月版)。
ただし、I-765については公式どうしが食い違っています。先に、やることだけ書きます。申請するとき、その版のI-765とオンライン画面に「SSNカードを申請するか」の欄があるかを見てください。
- 欄がある → そこで一緒に頼めます
- 欄がない → 在留・就労資格の書類を受け取ってから、SSAへ別途SS-5を出します
どちらかにしかならないので、迷う場面は実質ありません。食い違いの中身はこうです。現行の紙のForm I-765(2025年8月21日版)でSSN関連はPart 2のItem 13「SSNがあれば記入してください」の一行だけで、カード発行を頼む設問も開示同意の欄も見当たりません(Form I-765)。一方でSSAの公式ページは今も「I-765でSSNカードを申請したなら、社会保障事務所に連絡する必要はない」と案内し続けています(SSA - Enumeration Beyond Entry)。オンライン版で全カテゴリからこの設問が消えたのかは、公開資料からは分かりません。
一方、Form I-485(2025年1月20日版)には「Do you want the SSA to issue you a Social Security card?」と「Consent for Disclosure」が今も残っています。Form N-400にもSSA向けの設問はありますが、文言は同じではありません——N-400のほうは、帰化した場合にSSAが「originalまたはreplacementのSSNカードを発行すること」と「SSAの記録上の移民ステータスを更新すること」を希望するか、という尋ね方です。そしてSSAの現行の案内ページも、今なお「I-765でSSA用の設問に回答すれば、USCISがSSAにデータを送り、SSNカードが別送される」と案内しています(SSA - Enumeration Beyond Entry)。現在、SSAの案内ページとUSCISの現行I-765の内容が一致していません。なぜ食い違ったままなのかは公式に説明されておらず、原因はここでは断定しません。実際の申請ではそのとき使う最新版のフォームを確認し、I-765にSSN申請欄がない場合は、SSAへ別途SS-5を出す前提で段取りを組んでください。I-765の承認そのものを就労資格の根拠にする人(=EADが出て初めて働ける人)は、原則としてEADを受け取ってからSSAへ申請することになります。
なお、SSNカードの印字は次のとおりです。制限なしで働ける人のカードには何も注記が付きません。就労に条件が付く場合は「DHSの許可がある場合のみ就労可」(古い様式では「INSの許可がある場合のみ就労可」)、就労用でない番号には「就労には使えない」と印字されます(英文は出典欄)(SSA - Social Security Cards)。
ITINは「連邦税のためだけ」の番号
一方のITIN(個人納税者番号)は、IRSが連邦税務上の目的にのみ発行する番号です(IRS - ITIN)。確定申告だけでなく、源泉徴収や情報申告といった税務の場面でも使いますが、そこから外には出ません。ここが肝心で、ITINは——就労を認めるものではなく、社会保障の受給資格も生まず、I-9の就労資格の証明にもなりません。あくまで「SSNを取れないけれど、連邦税の手続きは要る」という人のための番号です。
更新のルールもここに揃っています。ITINの更新が要るのは「期限が切れていて、かつ連邦申告書に載せる」ときだけ。銀行などが出す情報申告(information return)にしか使っていないなら、期限切れのまま放っておいて構いません(将来自分で申告するときに更新すればよい)。「切れたからすぐ更新しなきゃ」と焦る必要はない、ということです。
具体的には、就労許可のない扶養家族や、特定のビザで所得申告が必要な人などが対象。取り方はIRSにForm W-7を提出する形で、原則は確定申告書と一緒に提出します。ただし例外もあり、租税条約上の特典を受ける場合、第三者による源泉徴収がある場合、住宅ローン利息の報告がある場合など、W-7 Instructionsが定める5つのExceptionに当てはまれば、申告書を添えずに申請できます(IRS - Instructions for Form W-7)。自分が例外に当たるかどうかは、申請前に確認しておく価値があります。
で、あなたに要るのはどっち
判断は二段階です。「働けるか」の一問では決まりません。
① SSNを取得できるか。 できるなら、取るべきはSSNです。市民、永住者、そしてDHSから就労を認められている人が対象。全員がEADの到着を待つ必要はありません。待つかどうかは、自分がどちらに当たるかで決まります。
- 待たなくてよい人 — I-94か入国スタンプに「就労を認める入国区分」が記録されている人。EADの到着を待たずにSSAへ申請できます(ただし持ち物はこれ1点では足りません。下記参照)
- 待つ人 — H-4やJ-2など、EADが就労資格そのものになる区分。この場合は原則としてEADを受け取ってからです
窓口で示すのは身元・年齢・就労が認められる在留資格の3点で、SSAは「少なくとも2点の別々の書類」を求めます(1点が2つの役目を兼ねることはあります)。在留資格については、現在の米国の移民書類と、未失効の外国パスポートの両方が要ります。移民書類として認められるのは、就労を認める入国区分のスタンプが押された未失効の外国パスポート、I-551(永住者カード)、DHSの就労許可が記載されたI-94、EAD(I-766)。F-1・M-1はI-20、J-1はDS-2019も追加で必要で、J-1の学生・インターン・international visitorはスポンサーの署名入り雇用証明レターも求められます。年齢は外国の出生証明書が原則ですが、10営業日以内に用意できなければパスポート等で代えられます。書類は原本か発行機関の認証コピーのみ。12歳以上は、EAE・EBE経由でない限り窓口での面談が必要です(永住権申請I-485なら申請書内で同時に頼める欄が残っています)。
② SSNを取得できない場合、連邦税務上の手続きが必要か。 必要ならITIN。W-7を確定申告書に添えて申請します(W-7 Instructionsの例外に当たれば単体でも)。
②が「必要ない」なら、ITINも要りません。就労が認められていない人が全員ITINを取るわけではない、ということです。自分に連邦税務上の手続きがあるかどうかは、W-7 Instructionsの対象者の説明で確認してください。
大事なのは、ITINはSSNの代わりではないということ。そして、将来SSNを取得しても、番号は自動では切り替わりません。SSNが出たらITINの使用をやめ、IRSに書面で通知してください。添えるのは、氏名・住所・ITIN(可能ならCP565通知のコピー)・SSNカードのコピーです。これでIRSがITINを無効化し、それまでの税務記録をSSNに統合します。放置すると、支払った給与や源泉徴収が自分の記録に紐づかないことがあります(IRS - ITIN)。自分がどちらの立場かをまず確かめて、必要なほうを取りにいく。ここを間違えなければ、必要な税務・雇用の手続きを進めやすくなります。次回も、ベガスで暮らしを立ち上げる実用の話を続けます。
※この記事は一般的な情報提供です。 個別の医療・法律・税務・移民・保険・金融に関する助言ではありません。制度・料金・要件は変わることがあり、実際の手続きや判断の前に、医師・弁護士・CPA(会計士)・各公式窓口など専門家にご確認ください。